つれづれなること 12

 2010-01-24
 もう一年以上前の話だが、こんなことがあった。まだ私が法政大学内を(入退構時間をチェックされながらも)出入りが出来たとき、ある職員とこんなやり取りをしたことがある。

職員:「この中核の犬! 犬なんだよ、おまえは!」

私:「事実上そういう面があることは認めますが、それを言うなら、あなたも理事会の犬なんじゃないんですか?」

職員:「当たり前だろ! おれはこの大学に雇われているんだ! 金をもらっているんだよ。お前とは違うんだ!」

 で、後は確か5分ほどだったが不毛な議論を続けた覚えがある。正直、内容はよく覚えていないが、いきなり走ってきて大声で「中核の犬!」と言われたインパクトが大きいのと、彼によると「エサをもらえる人についていく犬」のほうがそうじゃない犬より偉いらしい、というのが面白かったので、この冒頭のやり取りだけはよく憶えている。

 ちょっと茶化したが、要するに彼は恩義を大事にする方なのだ、ということがうかがえるセリフである。彼は自分が忠誠を尽くす法政大学に反逆する私が許せなかったのだろう。まあ、理由は他にも考えられはするが。
 当たり前だが、勤勉は美徳である。真面目に働き、家族がいるなら家族を養うことは偉大な行為である。結局のところ、これなしに社会は再生産されないからだ。社会は人間相互の巨大な分業体として成り立つ以上、誰かが怠ければ誰かが割を食う。その必要性から、勤勉は世界中のどの社会でも美徳なのである。

 公安警察もジャージ部隊ヤクザ部隊も警備員も、皆生きていてそれぞれの生活がある。彼らが仕事としてやっていた行為は、少なくとも私からみて悪であり憎むべき対象であるが、彼ら個人はやはり善良な市民なのだと思う。「女の子を付け回しながらニヤニヤしてるようなやつらが善良なわけがない」とか魔王・デュラン恩田に言われるかもしれないが、やはりこれは事実であると思う。
 目の前の現状を無批判にただ観察すれば、少数派が納得いかないことに騒いでいるだけに見えるというのはそうだろう。周りに迷惑をかける行為そのものはやはり悪と呼ばれるに値するものであるし、そういう個人ないし集団を排除することに彼らなりに正義を感じているのではないかと思う。彼らが倉岡さんや洞口さんをストーキングしながらニヤニヤしているのは彼女らを人間として見ていないからなのではないか? かつてキリスト教徒がユダヤ人を人間として見なかったように。
 公安警察にもこういうことは言えるだろう。彼らには彼らの正義がある。彼らは秩序を守るため、「法の正義」というやつを振りかざす。この場合、「法の正義」は手段であって目的ではない。公安警察の明らかなダブルスタンダードは、その目的が何であれ、集団的行動を起こす組織に威迫をかけることによって、ともかくも公の秩序を守るためである。警察権力の腐敗云々という視点からも色々言えるかもしれないが、公安警察のさまざまな威迫が、明確な違法を伴うことはさすがにあまりないが、濫用を伴うことがしばしばあるのは、彼らの目的意識の問題なのである。彼らなりに正義は貫徹されている。

 前回の「つれづれ~」でも書いたが、善と悪はどこまで突き詰めても人間の観念であって、見方しだいで容易に入れ替わる。冒頭の法政職員を「アイヒマン的」やら「犬」やらと評して「小悪」にみることもできるし、「忠勤精神の高い真面目な人」と評することもできよう。そしてこれは、両方とも正しい。

 我々文化連盟は、中核派と協力して闘争を行う中で、ジャージ部隊を始めとする何人かの職員・警備員を解雇に追い込んだと言っていいだろう(法政大学は、裁判などで「警備業務を一本化するため、ジャパン・プロテクションとは契約を打ち切った」と説明しているが、10月17日に大きな集会を開かれることを知っておきながら戦力ダウンをするのは明らかにおかしいし、何より常識的に警備会社との契約というのは通常一年契約であるのに、半年でいきなりその契約が打ち切られたのもおかしいので、やはりジャージ部隊の日常業務の映像などに一定の打撃を受けたのだろう)。だがこれは、我々が彼らから生活を奪ったことを意味している。特にジャージ部隊の面々については(我々がいなかったらそもそも彼らの仕事はなかったことはここでは置いておく)、「ハケン切り」が騒がれていた時期でもあり、正月にテレビを見ていてけっこう本気で心配したと同時に、(学生の金で)彼らを雇うことを決めておきながら、役に立たなくなったからといって切り捨てた理事は今頃何をしているのか、と考えたことを憶えている。
 もちろん、法政大学の正義より、我々の正義のほうが大きく、そして美しいものだと考えているし、ジャージ部隊については「学生の金で何を雇ってるのか?」と言わざるをえないので解雇されて当然である。

 文化連盟もまあいずれあることとして予想していたように、逮捕され、合計で8~9カ月も拘留されるというグローバルスタンダードからいえば信じられないことをやられたわけだが、だからといって自分たちの正義が何を踏みつけて前進しようとしているのか、ということには自覚的であるべきなのである。
 「罪を憎んで、人を憎まず」。この精神は重要なものである。
 そのうえで、罪を裁く場合は、結局のところ人を裁くことにしかならない、ということもまた事実であり、一見不合理なようで実際には合理的である行動、つまりケジメをつける、という観点から勝者は敗者を勝者の視点から裁くことが必要であることは否定しない。
 悲しいことではあるが、我々のいる世界は二次元ではないのだから。

                                                 齋藤 郁真 
コメント
中核と共闘はしても、同化しないようにね。

あまりに教条主義だと、一般大衆が支持してくれないから。

裁判でも、ほかの全学連活動家の陳述は、教条主義というか、マルエンやレーニンの言葉や文章の劣化コピーが多かったもんなあ。内海くんは、書き方が面白かったが・・・

そんななかで、増井くんの文章は、とにかく、楽しかった。

斎藤くんや恩田くんの文章も良かったが、「歴史は我々に無罪の判決を下す」という結びは、カストロの言葉だったような・・・

今回の文章は、めっちゃ、いい文章やね。

中核と共闘しながらも、「正義」を相対化して、自分の頭で考えていることがよく分かる。

増井くんの文章も、好きだが、やはり、ノンセクトの書く文章は読み応えがあるね。


頑張れ!!
【2010/01/25 06:56】 | 京大生 #- | [edit]
おはようございます。
法政大学文化連盟が、これほど、弾圧される理由としては、文化連盟が、大会とかに出て、大学の宣伝効果を果たさない。
つまり、大学側から見て、何の利益にもならない、お遊びサークルに見えるので、このさい、潰してしまおうという資本主義的意図がありますね。
これからの大学は、少子化により、学生確保が難しくなりますから、ひとつでも、大学には、宣伝材料が必要になります。
それには、どれくらい、いい会社に就職できるかという就職予備校としての大学の役割が強くなります。
これが、体育会なら、大会もあるし、文化会でも、大会もあります。
そんなものに、無縁なサークルは、いらないという発想が日本の各大学当局に広がってような気がします。
大学というのは、私は、社会に早く出たくないというモラトリアム人間の場であってほしいです。
現に、私が大学進学した理由は、社会に早く出たくなかったということです。
社会の存在が、汚い存在に見えたからです。
それから、社会科が得意だったのですが、大学の文学部にいけば、ある程度、それが生かせますから。
私は、大学では、ハングルを学びました。
今でも、趣味です。
ではまた。

【2010/01/25 10:41】 | パライノヤ #- | [edit]
考え過ぎだよ。うざキャラはシカトしとけばいいんだよ。大学が学生会館壊したけど、俺の中にはまだあるよ。物理的な物は壊せても心の中まで壊せない。墓場まで持ってくから俺は全く悔しくない。
【2010/01/25 16:10】 | 学生会館 #- | [edit]
立派な文章でした。
あなたたちは歴代の法政大学黒ヘルの中でも一番素晴らしい人々だと思います。
先輩として誇りに思います。
ここまで弾圧されながらそれでも「道理」を捨てないあなたたちは美しく、そして何よりも強いと思います。
あなたたちの先輩である私はあなたたちほど強くも美しくもありませんでした。
9.21で運動が自壊し(K君一人の孤立的な一審闘争貫徹は運動として波及せず、結果的には敗北でした)、学生会館が破壊され(この時期から学生団体の幹部は様子が変でしたね)、学友会が潰された後に残ったのはあなたたちだけです。

わたしは今、自身の言葉に責任を持てる状態ではありません。
それゆえ私の言葉は無責任です。
しかしそれでも私は、あなたたちの言葉に感動したことを伝えます。
そして私が私自身の言葉に責任を持てる日が来るように努力することを私の責任にします。

辛くて、苦しくて、全然良いことなんてないでしょうが、それでもこの運動続けようとするあなたたちに心から尊敬と連帯の気持ちを送りたいと思います。
どうかお身体大切に。そして私の立場からは言いにくいですが「頑張って」ください。
【2010/01/25 21:21】 | むかし先輩だった者 #mQop/nM. | [edit]
「中核の犬」かつ「エサをもらえる人についていく犬」である輩がいるのも事実である。一方で、そういう輩に踏みつけられている労働者がいるのも事実である。もう善良な労働者を利用するのも、いい加減にしたらどうだね。そういう輩と手を組んでいる学生も、権力者の犬にすぎない。
「ワンワン、キャイーン」いつまでも、門前で、遠吠えしていろ!
【2010/01/28 01:29】 | 劣等労働者 #- | [edit]
↑お前、ジャパンプロテクションか、それとも法大職員か?
【2010/01/28 11:04】 | 赤ヘル #- | [edit]












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Author:文化連盟
1959年創立の法政大学サークル連合。2008年3月に非公認化。活動理念は「自主文化創造」。本業のサークル活動に邁進しつつ、2006年3月14日以来延べ126名の逮捕者、34名の起訴者と13名の処分者を擁する監獄大学爆砕へと学生運動も同時並行。直接行動系。ゆとり世代代表。愛は強し。

2012年5月31日、東大ポポロ座に続き暴処法を粉砕し無罪を勝ち取る。もはや敵なし。俺たち最強。

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